グランドキャニオン国立公園: ブライト・エンジェル・トレイル – ファントムランチへ

ブライトエンジェル・トレイルから見下ろすコロラド川の絶景(グランドキャニオン)

グランドキャニオンのサウスリムから谷底にあるファントムランチへ向かう王道ルートのひとつが、「ブライト・エンジェル・トレイル」。全長およそ15.4キロの道のりを歩いて、コロラド川を越え、谷底にひっそりとたたずむロッジへ向かいます。

この旅の記録は、以下の3部構成に分けてお届けしています:

  1. サウスリムからインディアンガーデンまで
  2. インディアンガーデンからの寄り道:プラトーポイント
  3. 今回の記事:インディアンガーデンからファントムランチへ

今回はその第3部、インディアンガーデンからファントムランチまでの道のりをご紹介します。谷の中腹から一気にコロラド川を目指して下っていく、変化に富んだルートです。途中の風景、休憩ポイント、注意点など、体験を交えて詳しくお伝えします。

プラトーポイントでの絶景を満喫したあと、再びインディアン・ガーデンに戻ってきました。
ここからファントムランチまでは残り約5マイル(約8km)。いよいよグランドキャニオンの谷底へと向かう後半戦のスタートです。

標高をどんどん下げながらコロラド川を目指します。壮大な景色とともに、地層の変化や空気の温度さえも移り変わっていくこの区間は、グランドキャニオンの奥深さを実感できるハイライトのひとつです。

ブライトエンジェル・トレイル1

道が進むにつれて、まるでセドナのウエストフォーク・トレイルを思わせるような、赤茶けた岩壁が両側に迫ってきます。
高くそびえる壁に囲まれたこのエリアは、まるで別世界。静寂の中に、遠くから水の流れる音がかすかに聞こえ始めると、谷底が近づいていることを実感します。

足元の道は次第に緩やかになり、日差しの入り方や風の匂いもどこか変わってきます。ここからが、谷底ならではの静かな世界への入り口です。

ブライトエンジェル・トレイル2

このあたりは地面がごつごつとした岩場になっていて、歩くたびに足首に負担がかかります。疲れもたまってくる頃なので、足首をひねらないように注意が必要です。トレッキングポールがあると安心ですよ。

道中ではなんと、野生動物にも遭遇!
木々の間にすっと姿を現したのは、おそらく鹿。静かに立ち止まってこちらを見つめていました。写真に収めたので、見えるでしょうか? ↓

ブライトエンジェル・トレイルの鹿

デビルスコークスクリュー(Devil’s Corkscrew)

しばらく進むと、ついに現れるのが**「デビルスコークスクリュー(Devil’s Corkscrew)」と呼ばれる有名なスイッチバック。
ここは
急勾配の連続カーブが続く、まさに難所。真夏には気温が50℃を超えることもあり**、グランドキャニオン内でもっとも多くの死者が出ている場所のひとつとも言われています。

デビルスコークスクリュー1
デビルスコークスクリュー
デビルスコークスクリュー2

見上げると、両側にそびえる岩壁がどんどん高くなり、圧倒されるような景色が広がります。焦らず、無理せず、一歩一歩着実に下っていきましょう。

小川沿いの癒しの道へ

デビルスコークスクリューを無事に下りきると、景色は一転。そこから先は、比較的平らな道が続きます。
足元には小さな川が流れ、その水の音が耳に心地よく、疲れた身体をそっと癒してくれます。

実はこの小川、後にあのコロラド川と合流する流れ。壮大な自然の中を歩いていることを、静かな水音が改めて思い出させてくれます。

コロラド川が見えてきた!

しばらく歩くと、ついにコロラド川が眼下に姿を現します
サウスリムからはあんなに小さく見えていた川が、目の前に広がるその瞬間、思わず「こんな所まで下りてきたんだ!」と感慨深くなります。

そして、インディアン・ガーデンから約1.5マイル(約2.4km)ほど歩いたところで、コロラド川のそばにトイレを発見!
私が持っていた地図には載っていなかったので、「ここまでトイレなし⁉」と思っていた私には、嬉しいサプライズでした。

ブライトエンジェル・トレイル3
ブライトエンジェル・トレイルとコロラド川
コロラド川

シルバー・ブリッジはまだ?

「そろそろシルバー・ブリッジが見えてくるはず……」
そう思いながらも、なかなか姿を現さない橋。距離的には遠くないはずなのに、リュックがどんどん重く感じてくるのが不思議です。

そして…

シルバーブリッジ

グランドキャニオンのシルバーブリッジ1

あっ……あったぁ!!

遠くの方に、ようやくシルバー・ブリッジが見えてきました!
「もうすぐ……」と気持ちが高まります。

……のはずだったのですが。

距離的には近いはずなのに、ここからの道が意外とつらい。
まるでビーチの砂のような柔らかい道に足を取られ、全然前に進んでいる気がしません。体力も限界に近づいてきて、「これは精神戦だな」と実感。

もう、ひたすら歩くしかない
「あと一歩歩けば、一歩分ゴールに近づく」
そう自分に言い聞かせながら、ついにブリッジに到着!

グランドキャニオンのシルバーブリッジ2

渡る? 渡らない? 渡るしかない!

この谷底で、ブライトエンジェル・トレイルとサウスカイバブ・トレイルが交差します。
その交点に架かるのが、このシルバーブリッジ

……って、え⁉ 結構怖いんだけど!

目の前の橋は、足元のグリッド状の隙間からコロラド川が見える構造
しかも川の水流はかなり速く、その轟音が足元から伝わってきます。
歩くたびに橋全体が少し揺れて、予想以上のスリル。

「トレイルが簡単か難しいか」といった情報は、ブログでたくさん見かけたけれど、この橋の“怖さ”にはほとんど触れられていなかったんですよね。
みんな、さらっと「渡ったよ〜」って言うけれど、心の準備がなかった私はドキドキ。

でも、ここまで来たら渡らないわけにはいきません!

「下を見ないで……深呼吸、深呼吸……」
「落ちたら水冷たいだろうな」とか、「この流れ、絶対泳げないよな」とか、
余計なことを考えつつも、無事に渡り終えました(ちなみに翌日もまた渡る羽目になりますが… 笑)。

ファントムランチは、まだ?

シルバーブリッジを渡り終えて、ホッと一息。
「よし、もうすぐゴールだ」と気持ちを切り替えて、また歩き始めます。

すると……

あっ、あれはもしや⁉

少し先に見える建物に、思わず足が速まります。
「ついに着いたかも!」とウキウキしながら近づいてみると――

違いました。

どうやらミュール用の小屋のようです。
ちょっと早歩きしてしまったせいで、ウキウキ気分が一転、疲労がどっと押し寄せます。

それでも、ゴールはもう目の前!

とはいえ、ここまで来ればファントムランチは本当にもうすぐ!
このあたりからは、道沿いにいくつものサインが出てくるので迷うことはありません。

ふと小川の向こう側を見ると、そこにはブライトエンジェル・キャンプグラウンドが広がっています。
キャンプ道具と食料を背負ってこの道を歩く人たちもいるなんて…… 本当にすごい。

ブライトエンジェル・キャンプ場
ブライトエンジェル・キャンプ場
ブライトエンジェル・トレイルのレンジャーステーション
レンジャー・ステーション

レンジャーステーション、そして…

さらに進むと、レンジャーステーションが見えてきます。
ここまで来れば、ファントムランチはもう目と鼻の先!

静かな谷底の空気の中、最後の一歩を踏み出すと――

ファントムランチに到着!

ファントムランチ!

やっと着きましたぁーーー!!

見えてきた建物を確認した瞬間、本当にホッとしました。ここが谷底にひっそりとたたずむ、グランドキャニオン唯一の宿泊施設「ファントムランチ」。どこか牧歌的で温かみのある雰囲気に包まれています。

ファントムランチ

この日のハイキングの記録はこちら↓

この日のサウスリムからのハイキングの記録はこちらで詳しく書いています ↓

途中、プラトーポイントに寄り道したため、**総距離は約13.4マイル(約21.5km)に。
寄り道なしなら、サウスリムからファントムランチまでの距離はおよそ
10マイル(約16km)**です。

下りが中心とはいえ、これだけの距離を歩いたのは人生初かもしれません。
でも、その分、達成感もひとしお!

ファントムランチからサウスリムへ

私たちは帰りもブライトエンジェル・トレイルを使用しました。
帰りの日は、ファントムランチの朝食を早い時間のグループに設定し、食後すぐに出発することをおすすめします。

特に夏場は、日中の気温が50度近くまで上がるため、できるだけ涼しい時間帯にデビルスコークスクリューを通過するのが理想です。

私たちは2月の旅でしたが、朝まだ暗いうちにヘッドランプをつけて出発しました。寄り道はせず、約10マイルの道のり。それでも、インディアンガーデンに着く頃にはかなり暑くなっていました。

下山よりも上りのほうが大変!

行きとは違って、帰りはずっと上り坂
こまめな休憩、水分補給が本当に大切です。
また、冬はリム付近のトレイルが凍結していることも多く、時間がかかるので注意が必要です。

しっかりとした計画を立てて、安全第一で臨みましょう!

帰り道のハイキング記録はこちらで ↓

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グランドキャニオンハイキング国立公園
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