バイオスフィア2(Biosphere 2) はアリゾナ州のオラクルという街にある建物で、砂漠のど真ん中にあります。
バイオスフィア2って何?
この建物が建てられたもともとの目的は、「人間が密封空間に住むことができるのか」を実験することでした。
その実験のために科学者たちは地球のミニバージョンを人工的に建物の中に作ることにしたのです。
そしてそのミニ地球は第2の「生物が存在する球体」ということでバイオスフィア 2と名付けられました。(地球がバイオスフィア1ということになります)
つまり、「砂漠のど真ん中に地球と同じ環境を人工的に作ることができるのなら、人間はいつか宇宙に住むことができるのではないか」という考えたのです。
とても興味深い実験ですよね。科学に興味のある方には必見の場所です!
ここでどんな実験が行われたの?
酸素も食べ物も全部自給自足でこの密閉空間の中で暮らす。
そんな実験が1991年から1993年までの2年間、この建物の中で行われたのです。8人の科学者たちが2年にわたって生活をしたこの建物。
人工的に作られた海や砂漠。気候も熱帯雨林気候から砂漠気候まで様々なものを地球と同じように作られました。全部建物の中です。


酸素やお水を作り出すシステムが設置され、科学者たちは動物と植物も育てたそうです。
地下には圧力調整のために使われた肺も作られました。
料理は科学者たちが交代でしていたそうで、自分たちの育てた動物と植物が食料になりました。育てたコーヒー豆からコーヒーを作って飲んだりもしたそうで、驚きです。
気になる実験なんですが、科学的な問題よりも人間関係の問題の方が大きかったそうで、「この実験は失敗に終わった」という人が多いそうです。でも実験に参加した科学者たちはそうは思っていないようです。
「科学的には成功だけれど、こんな小さい空間だと精神的には無理」ということなのでしょうか?まあ、地球サイズでも国の間で問題があったり戦争も起こるので、人間というのはそういうものなのでしょうか。
ツアーとチケットの予約
今、この建物は大学の研究や実験のために使われています。子供たちのサイエンスキャンプなどの教育材料にも大いに役立っているみたいです。
見学者も受け入れていて、ツアーに参加すると解説付きで建物の中を案内してもらえます。
ツアーは1時間ほどだったと思います。10人ほどのグループでちょっとしたビデオを見た後、ボランティアの方についていろいろ見て回ります。
ミニ地球の見学はもちろん、科学者たちが実際に利用していたキッチンやベッドルームも見ることが可能。
一通り見学した後はツアー終了。その後は自分でいろいろ見て回ります。かなり歩くので歩き易い靴で行った方がいいでしょう。
チケットはオンラインで事前に買いましたが、その場でも購入できます。
ただ、2020年7月現在コロナの影響で一時的に閉鎖されているようなので行く前にチェックした方が良いでしょう。サイトによると夏の終わりにリオープンする予定だそうです。
行き方
ツーソンから車で30分くらいです。
人工的に地球を作るなんてすごいなぁって思います。そして地球と同じ環境を作るのにいろいろな機械や装置が必要なので「地球ってすごいな」とも改めて感じさせてくれる場所でした。
いつかこんな建物を宇宙空間に建てて人間が住めるようになるのでしょうか。
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