グランドキャニオン国立公園: ブライトエンジェル・トレイル (Bright Angel Trail) – インディアン・ガーデン(Indian Garden)へ

ブライトエンジェル・トレイル①|むぎパンク

ブライトエンジェル・トレイル(Bright Angel Trail)は、グランドキャニオン国立公園内でも特に人気のあるトレイルのひとつです。というのも、整備が行き届いていて、道中には飲み水・トイレ・休憩所がしっかり配置されています。そのため、初めてでも比較的安心して歩ける「最も安全なトレイル」と言われています。

※名称変更について

これまで「インディアン・ガーデン(Indian Garden)」と呼ばれていた地点。ここは2022年に「ハバスパイ・ガーデン(Havasupai Gardens)」へと名称変更されました。
これは先住民族ハバスパイ族の声に基づくもので、土地の歴史と尊厳を反映した名称だそう。

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ブライトエンジェル・トレイルの様子と安全管理

トレイルの中間地点(ハバスパイ・ガーデン)と谷底のブライトエンジェル・キャンプ場(Bright Angel Campground)にはレンジャーステーションがあります。そのため、パークレンジャーが定期的に巡回して登山者の安全を確認してくれています。


最初の数キロは観光客も多数|ブライトエンジェル・トレイル

スタート直後の数キロは観光客も多く、グランドキャニオンを違う角度から楽しむことができます。
途中で引き返してもOKなので、気軽に「ちょっとだけ下ってみる」体験にもおすすめです。

サウスリムから谷底への2ルート

谷底のコロラド川まで下りる場合、主に以下の2つのトレイルがあります:

  • サウス・カイバブ・トレイル(South Kaibab Trail):全長7.5マイル(約12km)、所要時間約4〜5時間(下り)
  • ブライトエンジェル・トレイル(Bright Angel Trail):全長10マイル(約16km)、所要時間約4〜6時間(下り)

※ただしこれは「下り」の時間であり、登りは2倍近くの時間がかかると見積もっておくと安心です。


季節ごとの注意点|ブライトエンジェル・トレイル

冬場は滑り止めが必須
雪や氷で足元がかなり滑りやすくなるため、滑り止めスパイクや防寒対策を万全に。

夏場は超過酷!
気温が摂氏50度近くまで上がることもあるため、ハイキングには適しません。
どうしても歩く場合は、水の補給ポイントや日陰の休憩所、緊急電話が整備されたブライトエンジェル・トレイルを選びましょう。

以下に、英語ですが休憩所、給水所、トイレなどの距離などが載っている表を掲載しておきます。参考までに。

ブライトエンジェル・トレイル1

ブライトエンジェル・トレイルの歴史

まず、ブライトエンジェル・トレイル(Bright Angel Trail)は、グランドキャニオンで最も有名なハイキングルートのひとつですが、その始まりは1891年に遡ります。もともとは先住民であるネイティブアメリカンが、オアシスのような「インディアン・ガーデン」へアクセスするために使っていたルートでした。

そして19世紀後半、このエリアに鉱物資源を求めてやってきた開拓者たちは、このトレイルの価値に目をつけます。特に観光の可能性に注目したひとりのパイオニアが、トレイルを谷底のコロラド川まで延長し、有料での通行ルートとして整備しました。

しかし、鉱業目的と観光目的での使用をめぐって対立が生まれ、法廷闘争へと発展。最終的に1928年、ブライトエンジェル・トレイルはアメリカ合衆国国立公園局(NPS)の所有となり、すべての人に開かれた公共のトレイルとなりました。

そして現在でも、トレイル沿いの岩壁にはネイティブアメリカンによるピクトグラフ(壁画)や遺跡が残されており、この道が歩んできた長い歴史を感じさせてくれます。


ファントムランチへ行くための持ち物リスト

私たちは、ハイキングとファントム・ランチでの2泊に必要なものだけをリュックに詰めることにしました。そして、それ以外の荷物は車のトランクに置いて行きました。

ちなみにリュックの中身はこんな感じです:

ブライトエンジェル・トレイル2

まず、黄色い袋の中にはすべての着替えを収納。そして防寒着や靴に装着するマイクロスパイクは、最初から身につけて出発したため、リュックの中には入れていません(トレッキングポールも同様に外付けです)。

ピンクのポーチには、歯ブラシなどのトイレタリー(洗面用具)をコンパクトにまとめました。今回は食事付きプランだったため、持っていった食べ物はトレイル中のスナック程度。それでも水を入れると、リュック全体の重さは約6kgになりました。

ちなみに水は、リュック内にセットしたハイドレーション・ブラッダーに入れて持ち運びました。これだと歩きながらでも簡単に水分補給できるので、長距離ハイキングではとても便利です。


ブライトエンジェル・トレイルのハイキングを始める前に

早朝6時の起床と氷点下の気温

まず、私たちは2月の旅だったので、インディアンガーデンからプラトーポイントに寄り道をしてからファントムランチへ向かう計画。そのため、朝6時に起床しました。そして身支度を整え、朝の準備を進めながらスマホで気温を確認してみると...

ブライトエンジェル・トレイル3

マイナス2度!(ウィリアムズと表示されていますがサウスリムにいました)

寒いのが苦手な私ですが、晴れているだけラッキーと思うことにしました。
※ちなみに真夏にハイキングされる方は、もっと早い時間の出発がおすすめです。日中はかなり暑くなります。

しっかり朝食を食べてからチェックアウト

この日はランチがプロテインバーとスナック程度になりそうだったので、朝食はしっかり食べてから出発。チェックアウトを済ませにブライト・エンジェル・ロッジのフロントデスクへ向かいました。

ブライトエンジェル・トレイル4

「谷底にハイキングする人はみんな出発前にここで登録するように」と聞いていたのでフロントへ行ってみました。ですが、「その必要はありません」と言われました。ファントム・ランチに宿泊する場合は、2日前の予約再確認があればそれで十分とのことでした。

ちなみにブライトエンジェル・ロッジのチェックアウトは、フロントデスクに戻る必要がありません。そのため鍵を部屋に置いて出るだけなので、とても便利でした。

トレイルヘッドへ移動して出発準備

そのまま部屋に戻って荷物を取り、車へ向かいました。結局、車は動かさずにそのまま駐車していくことに。

ブライトエンジェル・トレイル5
駐車場からみたブライト・エンジェル・ロッジ
ブライトエンジェル・トレイル6
同じ駐車場。ロッジの反対側の景色
グランドキャニオントレイル1
トレイルヘッドへのサイン

向かったのは、ブライト・エンジェル・トレイルヘッド。ここにはトイレもあります。

グランドキャニオントレイル2
記念撮影

「ちょっと着込みすぎたかも…?」と思いましたが、寒さ対策は万全に。途中で脱げばいいと思ってそのままスタートすることに。

マイクロスパイク装着で安全にスタート

フロントデスクの方によると、最初の1.5〜2マイルは雪と氷が多いとのこと。実際にすれ違ったハイカーたちも、ほぼ全員がマイクロスパイクを着用していました。そして通りがかったパークレンジャーさんも同様だったので、迷わず最初からスパイクを装着。

いよいよ谷底へ向けて、グランドキャニオンの大冒険が始まります!

グランドキャニオントレイル3

いよいよハイキング開始!|ブライトエンジェル・トレイル

ハイキングスタート!氷のトレイルを慎重に進む

ついにこの日がやってきました!
15ヶ月も準備をしてきた、待ちに待ったハイキングのスタートです。

グランドキャニオントレイル4

まずはトレイルヘッドからインディアンガーデンを目指します。

グランドキャニオントレイル5

最初に2つのトンネルをくぐり抜けます。トレイルの横にはアイス(氷)が見え、足元も凍っていました。歩くたびにスパイクの「ザクザクッ」という音が響きます。トレッキングポールも氷に滑ってなかなか突き刺さらず、慎重に一歩一歩進みました。

1.5マイル地点のレストハウスと冬の危険性

そして1.5マイル(約2.4km)ほど歩くと、最初のレストハウスが見えてきます。

グランドキャニオントレイル6

ここにはトイレがありますが、冬季は飲み水の提供はありません。ピークシーズンにはこの辺りまで観光客が降りてくることもあるそうです。

2月でも数人見かけましたが、非常に危険です。実際、帰り道では私の目の前で大柄な男性がトレイルの中央を歩いていて、ストーン! と派手に滑って転んでいました。その方は笑いながら氷の上をそのまま下っていましたが…

正直、見ていてヒヤヒヤします。
本人がリスクを取るのは自由かもしれません。でも近くにいる人たちも巻き込まれる可能性があるということを忘れないでほしいです。万が一ぶつかって崖から落とされたら… 命に関わります。

どれだけ自分が安全対策をしていても、周囲の人が同じとは限りません。どうか、常に周りにも注意を払って行動してください。

スイッチバックと3マイル地点の休憩所

ブライトエンジェル1

この先はスイッチバック(つづら折り)が続きます。

ちなみに写真を撮るなら「行き(下り)」がおすすめです。
帰りは登りでペースを崩したくないし、何より疲れて表情もボロボロに…(特に女性は髪もメイクも気にしていられなくなるかも?笑)

ブライトエンジェル休憩所

3マイル地点の休憩所に到着。
ここも冬は飲み水がありませんが、ベンチがあるので少し座って水分補給&スナックタイムにしました。

この辺りまで来ると、トレイル上の氷はほとんどなくなっていたので、マイクロスパイクを外しました。体も温まっていたのでレインパンツも脱ぎました。

安全の標語

ブライトエンジェルサイン
Down is Optional. Up is Mandatory

Down is Optional. Up is Mandatory.

「下りは簡単だけど、帰りは登り。忘れないように!」

グランドキャニオンでよく見かけるこの標語。
特にハイキングに慣れていない方や、体力に自信のない方は、このあたりで引き返すのが安全です。

ここから再びスイッチバックが続きます

ブライトエンジェルスイッチバック

ミュールへの譲り合いと道が平らになる区間

まず、登ってくる人やミュール(ラバ)には優先権があるので、出会ったら壁側によけて道を譲りましょう。
そして時々立ち止まって、景色を楽しむことも忘れずに!

先ほどの休憩所からさらに1.5マイルほど進むと、道が少し平らになってきます。

インディアンガーデン1

インディアン・ガーデン(Indian Garden)!|ブライトエンジェル・トレイル

インディアンガーデン2

砂漠の植物を守るために

砂漠の植物はとっても成長がゆっくり。
だから「トレイルから外れて植物を踏まないようにしましょう」というサインが立っています。ちょっとした一歩でも、自然には大きなダメージになるんですね。

ハバスパイ族が暮らした場所

このインディアン・ガーデンは、20世紀の初めごろまでハバスパイ族が暮らし、豆やトウモロコシを育てていた場所です。
しかし、グランドキャニオンが国立公園に指定され、彼らはここから強制的に追い出されてしまったそうです。

現在は休憩地

今ではキャンプ場や休憩所として整備されていて、冬でも飲み水が補給できる貴重な場所。しっかり給水しておきましょう!

インディアンガーデン3

トイレ事情(コンポスト式)

もちろんトイレも完備。ただし、どの休憩所でもゴミはすべて自分で持ち帰るルールです。
※女性用の生理用品専用ゴミ箱だけは設置されています。

ちなみにこのトイレはコンポスト式(微生物による分解方式)。そのため、バナナの皮やリンゴの芯など、自然なものは入れてもOK。中には「入れてよいもの・ダメなもの」が書かれたポスターが貼ってありました。

トイレットペーパーはきれいなものがしっかり補充されていて安心です。ただし水洗ではないので、使用後は必ずを閉めて、臭いが外に広がらないようにしましょう

野生動物への注意

インディアンガーデン4

↑また、こんなサインもありました:
野生動物に餌を与えないでください

リスをはじめ、野生の動物たちは人間の食べ物の匂いに敏感です。特にリスはかわいく見えるかもしれませんが、餌付けは絶対NG。

インディアンガーデン5

ベンチと日よけのある快適なエリアなので、ここでランチ休憩するのがちょうどいいと思います。
私たちもここでお水を飲んで、少し体を休めました。


ブライトエンジェル・トレイル|ここから先はプラトー・ポイントへ

ブライトエンジェル・トレイルはここまではずっと下りだったので、体力的にはそこまで大変ではありませんでした。

そして、私たちはここからさらに寄り道をして、コロラド川を見下ろせる展望台「プラトー・ポイント(Plateau Point)」を目指します!

加えて、ブライトエンジェル・トレイル:プラトー・ポイントからファントムランチまでの記事はこちら

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